『モンクを聴く』は、訳書『セロニアス・モンク 独創のジャズ物語』の中で触れている主な演奏やレコードについて、読者が参照できるようにモンクの物語、共演者、背景等の情報を加えて紹介してきたものだが、モンクの話は面白くて書き出すとキリがないので、駄文はこのへんで終わりにしたい。だが紙数制約のために、この本にはロビン・ケリーの原書に書かれているモンクの自作曲リストが収載できなかった。作曲と即興演奏が可逆的に一体化したものがセロニアス・モンクの音楽だとすれば、モンクがどんなオリジナル曲を作ったかということに加え、それらを自身で実際にどう演奏(解釈)していたのかを知れば、モンクの音楽をより深く楽しめる。そこで最後に、原書およびモンクのディスコグラフィー他の録音ソース記録を基に、モンク作品とその演奏が収録されている主要なレコード情報を以下にまとめてみた(曲名ーアルファベット順、アルバム名ー録音日順。ただしレコードは、ライヴ録音などを含め、全てを記載したものではありません)。
こうした情報はジャズを聴く楽しみを倍化する。アナログLP時代には大変だった「同曲」演奏の聴き比べが、デジタル音源の現代ではいとも簡単にできるからだ。音楽情報のデジタル化最大の恩恵は、いつでも、どこでも聴けることと並んで、どうにでも聴けるという点にある。モンクのように、アルバム単位で聴くことにあまり拘る必要がないミュージシャンは尚更だ。もうこの方法で楽しんでいるジャズ・ファンも多いとは思うが、私はiTunesを使っているので、音源さえ手に入れれば、モンクの曲/アルバム別の並べ替えは簡単で、同じ曲の演奏が連続して聴けるし、他のプレイヤーが演奏した同曲の演奏も比較しながら聴くことができる。これは何のことはない、本書に出て来る1930年代のストライド・ピアノの名手たち、ウィリー・ザ・ライオン・スミスやその仲間たちが連続して交代でピアノを弾いて、際限のない即興演奏のヴァリエーションで競争していた「技比べ競争」を聴くのと同じことだ。つまりヴァーチャルで、モンク個人や、場合によってはプレイヤー別に同じ曲の即興演奏の違いが楽しめるのである。この方法なら、モンクの音楽の骨格が若い時から如何に基本的に不変か、あるいは演奏時期や共演相手によってモンクが何をどう変化させているのか、などもより明瞭に比較し聞き取ることができる(はずだ。たぶん…)。またモンクと共演している奏者の曲の解釈の違いや、別のミュージシャンが自身のアルバムでモンクの曲を演奏していても、奏者によって素晴らしいものから結構情けない演奏まで色々あるので、その違いも楽しめる。興味のある(時間も金もある)人はぜひこの方法でも、天才音楽家モンクの世界を楽しんでいただきたいと思う。
こうした情報はジャズを聴く楽しみを倍化する。アナログLP時代には大変だった「同曲」演奏の聴き比べが、デジタル音源の現代ではいとも簡単にできるからだ。音楽情報のデジタル化最大の恩恵は、いつでも、どこでも聴けることと並んで、どうにでも聴けるという点にある。モンクのように、アルバム単位で聴くことにあまり拘る必要がないミュージシャンは尚更だ。もうこの方法で楽しんでいるジャズ・ファンも多いとは思うが、私はiTunesを使っているので、音源さえ手に入れれば、モンクの曲/アルバム別の並べ替えは簡単で、同じ曲の演奏が連続して聴けるし、他のプレイヤーが演奏した同曲の演奏も比較しながら聴くことができる。これは何のことはない、本書に出て来る1930年代のストライド・ピアノの名手たち、ウィリー・ザ・ライオン・スミスやその仲間たちが連続して交代でピアノを弾いて、際限のない即興演奏のヴァリエーションで競争していた「技比べ競争」を聴くのと同じことだ。つまりヴァーチャルで、モンク個人や、場合によってはプレイヤー別に同じ曲の即興演奏の違いが楽しめるのである。この方法なら、モンクの音楽の骨格が若い時から如何に基本的に不変か、あるいは演奏時期や共演相手によってモンクが何をどう変化させているのか、などもより明瞭に比較し聞き取ることができる(はずだ。たぶん…)。またモンクと共演している奏者の曲の解釈の違いや、別のミュージシャンが自身のアルバムでモンクの曲を演奏していても、奏者によって素晴らしいものから結構情けない演奏まで色々あるので、その違いも楽しめる。興味のある(時間も金もある)人はぜひこの方法でも、天才音楽家モンクの世界を楽しんでいただきたいと思う。
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